
ロストシンボル 上・下 ダンブラウン
うーん、イマイチ。
「天使と悪魔」と「ダヴィンチコード」は宗教と芸術(美術)世界のど真ん中に読む者を招待して、予備知識なしで楽しませてくれた。
読む側が準備しておくのはただ単に「知的好奇心」のみで充分だった。しかもその好奇心というのは本を手に取るという行為のみ、「面白そうだな」と思う程度の興味で良かった。
読者は読むに従って好奇心がまるで探究心にまで昇華するような躍動感の渦に巻き込まれいった。
インタビューで作者ダンブラウンは膨大な資料と本を読みこんでから小説作りに取り掛かると言っていた。
それは事実とフィクションを巧みにクロスさせながら、独自の発見と謎解きを展開させる内容にリアルさを与える原動力になっただろう。
だが今作「ロストシンボル」は様々な資料から無理につながりを見出し、強引につなぎあわせたような印象があってあまり楽しめなかった。ミステリーというよりか精神世界を独自に多種多様に解釈した書といった感じ。
物語自体も断片的で流れるように続かない。
ただ映画化は決まってるようで、皮肉なことにこの寄せ集め的な展開が映画化には向いてるような気がした。ストーリーをはしょったりつけ足したりまとめたりというような事がしやすいように感じたからだ。
期待が多きかっただけに残念。
フリーメイソンという団体には少し興味が湧いたけど。
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