大阪都構想って何だろう?知事と市長のダブル選挙で盛り上がってきている大阪。
一番の焦点である「大阪都構想」って何なのかよく分らなかったのでQ&Aでまとめてみた。
Q.大阪都構想って、大阪を首都にすることなの?A.違います。
東京都と首都を争うっていうのも面白そうですが、実際は東京都23区という
特別区の制度を大阪に取り入れることです。
Q.東京の特別区って何?A.明治の廃藩置県で3府302県(現在は1都1道2府43県)になった時、東京は東京府でした。そしてその中に東京市がありました。

東京市は経済的にも発展し、東京府より強い存在に。
それではやりにくい、首都の権限が一本化できないということで、第二次世界大戦時に
東京府を東京都とし、
東京市をいくつかの特別区に分けました(その後23区になった)。
東京府・東京市 → 東京都・東京特別区(後に23区)

早い話が、東京市の税収を東京府が吸い上げ管理することによって
権力の一元化をはかったわけです。
そのために東京府と東京市という従来の関係を再編、東京都と東京特別区という新しいシステムに作り替えたということになります。
Q.千葉・横浜・さいたま・仙台・岡山なども区があるけど?A.これらの区は、政令指定都市といわれる人口が50万以上の大きな市にできるもの。
但し、人口が50万超えたら自動的になるのではなく、市がなりたいと表明してから手続きが開始されます。
人口も現在では70万くらい(岡山市はぎりぎりですね)ないとそういう流れになりません。*以前は100万人くらいが基準だった。
政令指定都市になると都道府県並みの力を持つことが出来て、独自で色んなことが決められるようになります。
大阪では大阪市と堺市がこれにあたります。大阪都構想では大阪市や堺市などを再編し、大阪20区にしようとしています。
Q.特別区と普通の区の違いは?A.東京の特別区は、一つ一つが地方自治体で
市と同格。区議会がある。
政令指定都市の区は、市の中での
エリア分けにすぎない。区議会などはない。
都-区
道府県-市-区

市町村の場合、固定資産税や法人住民税などは市町村に入りますが、東京23区は東京都に直接入ります。そして都が特別区に再配分するという形で特別区を支配できます。

こうしてみると、
「道府県-市」の関係は「市」がある程度大きくなると「道府県」から「市」に権限を移譲して「区」が生まれ、「道府県-市-区」になる。
でも、「市」があまりにも力を持ちすぎて言うことをきかなくなると、「市」を解体(排除)して「都-区」にしてしまう。
出る杭は打たれるっちゅうことですかね(笑)。
Q.大阪都構想のメリット・デメリットは?A.<メリットの意見>現状では、大阪市のことなどに大阪府が口出しできない状態で、共同事業など物事がなかなか進まない。
→権力を集中させることで、カジノ構想など大胆な計画をすばやく実行できるようになる。
府立図書館・市立図書館といった似たようなサービスが多い。いわゆる二重行政という無駄が発生している。
→一体化することで無駄を解消できる。
<デメリットの意見>権力が独占され独裁者が生まれる(大胆な改革時には、ある程度必要な部分もあるけど)。
地方の現状に即した細かい対応が出来なくなり、効率化という名のサービスの低下がおこる。
区議会を設置するなどの新たな無駄が発生する。
さいごに地方自治って何なんだろうという根本的な問題提起にもなりそうな今回の選挙。大阪の人達はどういう判断を下すのだろうと注目しています。
どっちにしろ、膨大な借金「大阪府-約4兆円、大阪市-約2兆8000億円」をどうにかするには何か起爆剤が必要な気がします。

<参考>
池上彰の学べるニュース 2010/08/18