モンガーの小屋

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    TPPは是か非か?の答えがここに - 「反TPP論」

    TPPは是か非か?の答えがここに。

    ゴーマニズム宣言SPECIAL
    TPP論
    反TPP論
    小林よしのり

    私は正直、この本を読むまではTPP賛成派でした。
    グローバリズム時代の中ではTPPも流れの一つだと、
    日本の閉塞感を打破していくためにはTPPのような新たな刺激が必要だと、
    そう思ってたんです。でも、

    違ってたんですね。

    そりゃ、JAを筆頭に農業関連の行政や政治家に対しての信用は地に堕ちてますから、
    農業(TPP反対派) VS 自動車・家電産業などの輸出業者(TPP賛成派)
    という図式をアピールされたらTPP賛成の方向に行ってしまいます。



    私が学生の頃も米の自由化問題がありました。
    カリフォルニア米なんかが大量に輸入されたら、誰も日本の米なんか買わなくなると。
    味が大分違うタイ米でも、日本の米市場は大打撃を受けると。
    そう大騒ぎでした。

    で、不作。
    政府は減反政策とかやっときながら今度は米が足りないと苦悩。
    さらに農家は価値が上がった米をためこんで流通させない。

    仕方ないので、政府はタイ米を緊急輸入。
    でも、国内ではまずいからタダでもいらん!という雰囲気に。
    大量に余ったタイ米をスーパーで無料で配っていたという噂や廃棄処分したとの話。

    当時、私はタイ米を買ってたんですが、
    すげー腹が立ったのを覚えています。
    こんな状況で、値段が高騰してもみんな日本の米を買うじゃないかと(農業関係者は日本の消費者動向を全く把握できていない)。
    さらに、タイ米だって同じ米じゃないか。それを捨てるとか考えられんと(米を粗末にすると罰があたると教えられてきた)。

    どうせ、俺ぐらいしか買わないんだから輸入販売してくれと。安く米を買わせろと。

    そんな思い出があって今回TPP賛成派だったんですけど、農業政策の改革のためにTPPという外圧を利用するのはリスクが高すぎる。ここは冷静に農業の惨状政策とTPPは分けて考えるべきなんです。



    ゴー宣
    作中では以下のような興味深い主張が載っています。

    TPPは武力を伴わない戦争。

    「バスに乗り遅れるな」は、戦前にナチスドイツの快進撃を見た日本の識者が三国同盟を結ぼうと叫んだ言葉。

    第3の開国という言葉の意味は
    1番目が武力と恫喝で不平等条約を結ばされた黒船来航。
    2番目が戦争に追い詰められ多くの悲劇を生み出し迎えた敗戦。
    3番目がTPP。
    それぞれ日本の近代化への歴史的分岐点という重みを考慮しても、結局は主権を侵害された歴史であり膨大な犠牲を伴っている。

    トリクルダウン(企業が儲かれば蜜がしたたるように労働者に落ちてくる効果)はグローバル化の現在では絶対おきない。
    グローバリズムの意味は世界市場が国家よりも優位に立つというイデオロギー。
    1%の富裕層と99%の貧困層を分ける弱肉強食世界の単なる合法化。
    【200人の富豪が世界人口の41%の富を所有】
    【世界の5分の1の富裕層が世界のGDPの86%を保有】
    【世界人口の5分の1の貧困層は世界のGDPの1%しか保有していない】
    一部の企業家と株主が富を独占(それが弱肉強食の世界)するのだから、企業が儲けて国のGDPが上昇し続けても一般国民の幸福にはつながらない。

    日本はそもそも貿易立国ではない(日本の輸出依存度はわずか11%、韓国は43%、中国は24%)。
    だから輸出企業が儲けてもたかがしれているし、一般国民には還元もされない。

    そして、さんざんテレビや新聞でTPP特集してたのに、あまり触れられてなかった非関税障壁の撤廃。
    非関税障壁とは日本人独自の「慣習」「文化」「個性」など。さらに言えば「言語」や「信頼関係」までもが含まれる可能性もある。

    日本では、韓米FTAで韓国躍進という点だけを強調して報道されてたけど、韓米FTAにはISD条項という毒素が含まれている。
    ISD条項とはアメリカに不利な政策を相手国がとった場合に一方的に提訴できる「治外法権」規定。

    TPP導入で日本のクニ(故郷)と日本人の精神性が破壊される。


    ---作品抜粋1---
    どんなに相手に不公平を押し付け、卑怯なやり方で勝っても、「勝ちは勝ち」というのが、世界の現実であり、TPPの交渉においても、「正々堂々」ができないルールがすでに画策されているだろう。
    しかし「諦観の美徳」を持ち、「順応性」の高い日本人は、その理不尽なルールを全然、自覚できないのだ!
    激しく抵抗もせず、粛々と不利なルールを受け入れ、さらに頑張ろう、さらに工夫しようと己にムチうつことばかり考える。
    日本人は奴隷になっても文句ひとつ言わずに働く人種なのだろう。
    ----------

    等々。



    いつもより薄めのマンガ(読むのは時間かかります)で1500円は高いなと思ったのですが、読み終わったら1500円でこれだけの知識を与えてくれるのなら安いなと思えました。

    読んで私もTPP反対派になっちゃいました(単純なもんです)。この本の主張が100%正しいなんてことはないですし、私の思考もまた変わっていくかもしれない。でも賛成か反対かの2択を迫られる流れの中で、ちょっと待てよといろいろ考える大いなるきっかけになったことは確かです。

    JAは信用されない主張を声高に叫ぶより、この本を大量購入して国民に配った方がいい結果が出るんではないかとすら思える(笑)。

    そんな良書です。



    ---作品抜粋2---
    ~「人は強くなくては生きていけない。優しくなければ生きていく資格がない」~
    確かに人間は強くなければ生きていけない。だが、多くの人々の営みの上に、強者も成り立っている。
    祖先が築き上げた教育や文化や公共財や成文法や慣習などの多くのインフラの恩恵を受けて強者も育ってきたはずだ。
    歴史のタテ軸からも、社会のヨコ軸からも無縁な強者などありえない。
    人々の「おかげ様で」強者も弱者も成り立っているのだから、人は、強いか弱いかの前に、優しくなければ生きていく資格すらないのだ。
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    TPP=環太平洋戦略的経済連携協定・・・貿易自由化を目指す枠組み。国家間の関税をほぼ例外なく撤廃する取り決め。






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